公務員のための離婚相談

この記事では、夫婦の一方が公務員である場合と夫婦ともに公務員である場合、さらには、離婚を求める方が公務員である場合や離婚を求める相手方が公務員の場合も含めて、離婚する際のチェックポイントについて弁護士が説明をします。

公務員の離婚原因

公務員と一口にいっても、様々な職種があります。新潟県内においても、新潟県庁、新潟市役所、新潟県警、新潟市消防局、教員(新潟市教育委員会、新潟県教育委員会)などの地方公務員のほか、裁判所職員、国税、各省庁等の国家公務員の方が勤務しています。

公務員に当てはまる特殊な事情としては、転居を伴う異動がある、仕事が多忙で家族とのコミュニケーションがとれない等が挙げられます。一度夫婦の信頼関係が崩れてしまうと修復が困難となり、離婚に至ってしまうリスクがあります。

公務員が離婚する際の財産分与

公務員の離婚の場合、財産分与において他の業種とは異なる財産内容があります。

退職金

民間企業の場合は退職金がないところもありますが、公務員の場合は退職金があります。また、その退職金の金額の計算式が規程により明確にされているため、退職前でも算定が可能です。

「退職前にもかかわらず、退職金は財産分与の対象になるのか」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、将来受給する退職金であっても、結婚期間中に積み立てられた分については基本的に財産分与の対象となります。

一般的に退職金は勤続年数等が長いほど金額が高額になります。退職前に財産分与として退職金を支払う場合、その原資をどうやって準備するのかという点が問題になりえます。この支払い方法については協議により取り決めることになりますが、例えば、退職前に一括して支払うことができない場合には、実際に将来退職して退職金を受給したときに財産分与として支払う、という方法をとる場合もあります(国家公務員の退職についてそのような支払い方法を命じた裁判例として名古屋後半平成12年12月20日判例タイムズ1095号233頁等)。

職場の総務や人事に退職金の支給額証明書等を発行してもらえればよいですが、離婚の事実をあまり知られたくない場合は、職場の退職金規程に則って退職金額を計算するという方法をとる場合もあります。

共済の貯金、積立

公務員の場合は共済組合に加入しており、同共済の積み立てをしていることが多いです。新潟の例を挙げると、新潟県市町村職員共済組合、公立学校共済組合等があります。

このような共済の貯金、積立も財産分与の対象となります。

給与(賞与)から天引きされているため、給与明細に記載されていることが多いので、確認してみましょう。

公務員の年金分割

公務員の方であっても、民間企業に勤務されている方と同様に年金分割の対象になります。なお、共済年金は平成27年10月から個性年金に一本化されています。

「年金分割のための情報通知書」を取得する場合、国家公務員の場合は国家公務員共済組合連合会に、地方公務員の場合は各地方公務員共済組合に情報提供請求書に必要事項を記入して提出をして取得します。請求手続は本人又は配偶者であれば行うことができます。

弁護士法人美咲総合法律税務事務所にお気軽にお問合せください

公務員の離婚については、財産分与が高額になることも多く、離婚を求める側も求められる側も、その対象財産の整理および計算は慎重に行う必要があります。

離婚の話し合いをするだけでも精神的に負担ですから、ご自身で抱え込まず、お気軽に弁護士法人美咲総合法律税務事務所にお問合せください。

弁護士法人美咲総合法律税務事務所では離婚の初回相談は無料です。まずは弁護士に不安なこと等を相談するだけで、お気持ちが楽になる場合もあります。電話、LINEやメール等でご連絡ください。