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事案の概要
20歳代の夫婦 子1人 妻側からのご依頼
夫婦間の性格、価値観の不一致から、妻が離婚を決意しました。弁護士に相談した当時、すでに別居から半年以上が経過していました。妻が子と同居していました。
当事者間ではどうしても感情的になってしまうため、話し合いにならないということから、弁護士に依頼されました。
弁護士の活動
相手方の性格を考慮し、今後の養育費を確実に確保することを考え、離婚調停の申立てを行いました。
当初、相手方(夫)は離婚を拒否してきました。そのため、第 1 回目の調停では話し合いがほとんど進みませんでした。
第2回目の調停で、相手方は代理人弁護士をつけて調停に出席しました。すると、第1回目では離婚を拒否していたにもかかわらず、突如、相手方からも離婚調停の申立てをしてきました。
すでに当方(妻側)から離婚調停を申し立てているわけですから、夫側から申立をする実益は全くありません。
また、夫側は慰謝料を請求してきました。理由は、突然離婚を求められたことや、ケンカのときの暴言、とのことでした。
しかし、暴言と主張されている内容は、夫婦喧嘩の範疇に入るものであり、お互いが相当に言い合っていたものですから、慰謝料を発生させる事実にはなりません。
また、養育費について、夫側は少しでも金額を減らそうと主張してきました。具体的には、妻は前職で正社員として勤務していたのですが、この出産を経て、パート勤務に切り替えていました。
夫側は、妻の基礎収入は前職(正社員)の給与を基準とすべきだと主張してきました。これに対しては、妻一人で子を監護しなければならないのであるから、正社員の給与水準を基準とすることはできないことを強く反論しました。
最終的には、当方が主張した養育費額で合意することができました。
担当弁護士の所感
調停は調停委員によって経験値等が異なります。本件は調停委員に基本的な養育費の計算方法等に関する知識が乏しく、説得に苦労しましたが、最終的には当方の主張が全て受け入れられることとなりましたので、よかったです。(担当弁護士 五十嵐勇)
掲載日:2024年12月3日